前回記事で、初心者の方がヒラメを狙う際は、サーフではなく漁港をおススメする記事を書きました。
漁港でのヒラメ釣りは、ある基本を守らないと、苦戦する可能性があります。
足場の高い漁港でヒラメを狙う時、サーフのアクションをそのまま使おうとすると、通用しなかったり、逆に漁港のアクションをサーフでやってしまうと、全く釣れないなんてこともあります。
これから始まるヒラメシーズンに向け、漁港から狙う際のルアーのアクションについて、2回に分けて書いてみようと思います。
ヒラメの普段の行動
ヒラメは俊敏で貪欲。
「ヒラメは海底に身をひそめている魚。」
というのは皆様ご存じの通りだと思います。
全くその通りですが、見た目がほとんど同じカレイのように、体を砂の中に潜らせることはありません。
ヒラメは砂地や岩の上に体を乗せている状態で周囲に擬態し、周囲を通過する小魚や甲殻類を凄まじい瞬発力を利用して推進し、捕食しています。
普段は海底で身をひそめているため、一般的にヒラメをルアーで狙う際は、底から1m付近までを重点的に探ると良いと言われていますが、ベイトフィッシュを追うヒラメが表層まで食いあげてくることは、稀ではありません。
水深3メートルほどある漁港でフローティングをキャストしていたところ、ルアー回収間際に海底から60㎝オーバー確定のヒラメが食いあげてきて、バラした経験があります。
ルアー回収間際だった為、ほぼ表層でのバイトでした。
この時は表層にイワシの群れが大量に回遊しており、それを付け狙っていたヒラメがミノーに反応したものと思われます。
ただし、フローティングミノーでヒラメを狙うこと自体は稀だと思います(;^_^A
また、YouTube等でヒラメの捕食行動を閲覧することができますが、その様子を見ると、どうもエサになる魚を品定めしてるようにも見えます。
ヒラメの場合、その時のルアーのアクションや速さがマッチさせないと、「居ても食わない」といった現象が起きやすくなってしまい、僕みたいに「今日は魚がお留守だったんだよ~」的な言い訳しながら帰る羽目になります(笑)
もちろん、活性が高い状況ならば、即ルアーに反応する個体が多いはずですが、そんなに甘くはありません。
状況に合わせて、海底付近にこだわらずに様々な層を狙い、かつ、アクションやスピードも色々試していくことが釣果に繋がります。
ヒラメ狙いのアクションその① ~ストップ&ゴー~
ルアーアクションの代表的なものといえば、トゥイッチやリフト&フォール等があります。
中にはワインドみたいな、めちゃくちゃ疲れるやつまであります。
でも、僕が今まで様々なアクションを試した結果、ヒラメを狙う際に最も簡単で効果的なアクションの基本として、「ストップ&ゴー」と「リフト&フォール」をおススメします。
もちろん、これは漁港から狙う際のアクションの基本なので、サーフであればミノーを使用する場面もあり、必ずしもこれには当てはまりません。
僕が使用するのはソフトルアーが多いのですが、ハードルアー(主にジグ)を使用する際にも、同様のアクションパターンで活用できます。
ヒラメ狙いのアクションの中でも、漁港でヒラメを狙う際に僕が最も多用するアクション「ストップ&ゴー」。
一番多用する主な理由は、疲れないからです(笑)
ヒラメを狙う時間帯にもよりますが、朝マズメや夕マズメだと、意外と短時間でサクッと釣れてしまうことがあるのですが、日中の明るい時間帯にヒラメを狙おうとすると、かなり長時間粘らないと釣れない状況が多々あります。
そんな中で疲れる釣り方を一日中続けるのは、お父さんアングラーには厳しいので、僕は体に負担の少ないストップ&ゴーを多用します。
ストップ&ゴーでヒラメを狙う場合、ルアーをキャストして一旦着底させた後、タダ巻きでルアーを浮かせてある程度巻いたらストップし、沈めるという動作を繰り返します。
非常に簡単で、誰でもできるアクションですが、ヒラメに釣りにおけるストップ&ゴーは基本的な動作ながら、とても奥が深いアクションです。
ルアーの重さを決める。
漁港からヒラメを狙う際、ルアーの重さを最初に決めましょう。
サーフの場合なら、ミノーやシンキングペンシル、ジグミノー等の表層を探りやすく、フォールスピードの比較的遅いルアーで誘うケースもありますが、サーフよりも水深のある漁港からヒラメを狙う時は、海底にアクセスしやすいジグやテキサスリグの出番が多くなります。
この時に、あまりにも自重の軽いルアーを選択してしまわないように気を付けましょう。
水深が3~4mくらいなら18~28gぐらいまで。
5mくらいからは40g程度のジグがあれば心強いです。
テキサスリグの場合は30g以上のシンカーをセットすると、ワームの自重がプラスされてめちゃくちゃキャストしにくくなってしまいますので、ロッドのスペックにもよりますが、22g前後のシンカーを使用すると良いでしょう。
ワームを使用した釣りはハードルアーのように遠投が難しいので、遠距離を探るならジグ、近距離を探るならテキサスリグと使い分けすることができます。
リトリーブスピードを見極める。
ストップ&ゴーの「ゴー」。
つまり、リトリーブの部分です。
基本はルアーがしっかり泳ぐスピードでリトリーブすればよいのですが、僕場合、序盤のリトリーブスピードはおおよそ1秒間にハンドル1.5回転です。
僕はシマノのサステイン4000XGを使用しています(1回転で巻き取れるラインの長さは99㎝)。
大体この回転速度が基本となるのですが、状況によってはこの速度に全く反応してくれないケースがあります。
僕が初めて漁港でヒラメを釣りあげたのは、全くの偶然でした。
ある日漁港のテトラ帯でロックフィッシュを狙っていた時、テキサスリグが手前まで来ていたので、超高速リトリーブで回収しようとしました。
当時のリールはノーマルギアで、確か巻取長は70㎝くらいだったと思います。
リーリングスピード1秒間に4回転以上のハイスピード。
テキサスリグが表層まで来た瞬間に、海底から猛スピードでヒラメが追って来るではありませんか!
そして「ドン!」
今まで見たことのない光景と衝撃に少しパニックになりながらも、人生初の漁港ヒラメを釣りあげることができました。
これに味を占めて、2投目以降そのリトリーブスピードを忠実に再現していると、その後立て続けに3枚のヒラメをキャッチ。
さんざん投げ倒して、ロックフィッシュを狙う時のちょっと早めのリフト&フォールやスイミングにはロックフィッシュすら全く反応がなかったにも関わらず、ハイスピードリトリーブにはガンガン反応がある…。
僕はサーフでのヒラメの印象から、リトリーブスピードはゆっくりが基本と思い込んでいました。
しかし、ヒラメからの反応がない時はリトリーブスピードを思いっきり速くしてやるのも、一つの方法だと気づかされました。
ヒラメを狙う時のリトリーブスピードがややゆっくり目なのは基本ですが、釣れない時はその概念に縛られずに、様々なリトリーブスピードを試してみましょう。
ハンドル回転数を見極める。
ストップ&ゴーを行う際、ハンドル回転数は必ずチェックしてください。
海底から1メートル前後までをトレースすると良いという意見もありますが、前述の通り、思いっきり表層まで追ってくることもあります。
また、漁港の水深にもよりますが、僕が良く通う漁港でヒラメを狙う時は、ハンドル6~8回転が基本となっています。
サステイン4000XGの巻取長を考えると、かなり浮き上がらせいることがお分かりいただけると思います。
潮の流れによって差があると思いますが、多分海底から2~3mくらいは離れていると思います。
これは、ヒラメがどの層で食ってくるかを確かめるという意味と、その後のフォールのアピール力をより高める意味があります。
ヒラメは時期やその日の状況によって、食ってくる層が違ってきます。
海底からあまり離さない方が良い場合もありますが、表層付近までリトリーブしたほうが釣果が伸びるケースもあります。
海底付近だけ狙っていると、表層付近で食ってくる個体にはアプローチが難しくなります。
どの層で口を使うかを確かめるためにも、必ず海底~表層付近までをしっかり探り、ハンドル回転数が何回転の時に一番アタリが多いのかを確認してください。
フォールのスタイルを見極める。
ストップ&ゴーのストップからのアクションです。
ルアーをストップさせると、当然フォールします。
このフォール時に「カーブフォール」させるのか、それとも「フリーフォール」させるのかによっても釣果が変わってきます。
僕個人的には、テキサスリグはカーブフォール、ジグならばフリーフォールを基本としています。
これは経験上この使い分けの方が釣果が伸びているという実績に基づいたやり方なので、皆様は色々試してみてください(‘◇’)ゞ
カーブフォール
カーブフォールはリトリーブをストップした後、ただそのままリールのハンドルもロッドの位置も固定して、ラインにテンションをかけつつルアーの着底を待つだけ。
状況によっては、若干ロッドを海側に送ってフォールスピードを調整しますが、ワームのようにフリーフォールさせてもさせなくても、フォールのアクションにそれ程差がないのであれば、よりゆっくりアピールできるカーブフォールを多用しています。
バイトは分かりやすく、アタリがあったら即合わせしましょう。
フリーフォール
フリーフォールはリトリーブストップ後にリールのベールを上げ、ラインを放出しながらテンションをかけずにルアーを自由にフォールさせるアクションです。
ルアーにテンションが掛らないため、広報重心のジグなら不規則な動きでフォール。
フラッシング効果がより発揮されます。
フリーフォールでのバイトですが、カレイと似ていて、「コツン」とか「ドスン」といった衝撃がなく、ただラインが止まったり、または何にもバイトらしいバイトがない場合もあります。
うまく食いますよね~。
ジグでフリーフォールさせた場合、着底に気づかないと根掛かりが頻発してしまいますので、注意が必要です。
ストップ&ゴーのまとめ。
ストップ&ゴーは非常に簡単ですが、突き詰めると非常の奥が深いアクション。
以下にまとめましたので、是非参考にしてください。
- ルアーの重さ(テキサスリグならシンカー+ワームの重さ)を決める!
- 水深や潮の流れに合わせて重さを変更しましょう。
- その日の状況に合わせて、リトリーブスピードを見極める!
- 海底を意識するあまり、低速にこだわり過ぎないようにしましょう。
- リールのハンドル回転数を必ずチェックする!
- どの層でアタリがあるのかをハンドルの回転数を目安にしてチェックしましょう。
- 状況に合わせて、ストップした時のフォールスタイル(カーブフォールかフリーフォール)を変える!
- 使用するルアーの種類に合わせて、フォールスタイルを変えましょう。
次回は「ヒラメ狙いのアクションその② ~リフト&フォール~」について説明していきます。